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突発性難聴
症状と傾向
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「突発性難聴」とは、特に思い当たる原因もなく、突然におこる難聴のことをいいます。具体的には、「朝起きてから・・・」や「食後に横になってTVを見てから・・・」など、急にはっきりとした症状が出現します。
徐々に聞こえにくくなってきたという場合などは「突発性難聴」とは違い、他の種類の難聴が疑われます。
症状の感じ方は、雑音が入ったり、音や声が響いて聞こえたり、また耳が詰まった感じや、電車等でトンネルの中を通過した時みたいにこもった感じがしたりするという場合もあり、人によりいろいろな感じ方をします。
片方だけ症状が出ることが多いですが、左右両方とも出現する人もいたり、左右差がよくわからないという方もいます。
耳鳴りやめまい、吐き気などを伴うことも多く、発症初期の段階では、よく似た病気の「メニエール病」と区別がつかない場合が多いです。
また、初期段階では聴力検査などを行なっても異常がでなかったりすることも多く、「気のせいでしょう・・・」や「大丈夫です、異常はないです」で終わってしまい、聞こえにくい症状はあるのに、治療がなされないケースもあります。
原因と分析
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ウイルス感染説や耳の奥の内耳というところの血流異常などが有力とされていますが、現在の段階では、突発性難聴の明らかな原因はまだ不明とされています。
東洋医学では、体質、体の疲労具合、普段の生活環境、その時の気候などが関与し、総合的に診断します。
体質ではアレルギー体質の人や、立ちくらみ、めまい、偏頭痛などが出やすく、寒がりの傾向の方が多いです。
生活環境では、精神的ストレスをため込んでおり、疲労感が抜けにくく疲れがたまっており、かつ運動不足で甘いものを好んで食べる場合が多いです。
時期としては、朝晩の寒暖差が強い季節の変わり目や、仕事などの普段の生活で暑い所と寒い所の行き来が多い方、女性の方ですと月経後などになりやすいです。
鍼灸適応の目安と治療間隔
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「突発性難聴かな?」と思ったら、いち早く耳鼻咽喉科で専門医の受診を受けてください。この病気は特に治療を受けるまでのスピードが命であり、西洋医学的治療にせよ、東洋医学的治療にせよ早ければ早いほど効果が高いです。
耳が聞こえにくいという症状は、脳から来ている場合もありますので、専門医の診察を受け、まずは原因がどこからきているのか、本当に突発性難聴なのか、あるいは聴力検査でも問題がない程度なのか、ということを判断してもらってください。
突発性難聴の場合、ステロイドや血流をよくする薬で治療することが多いです。
東洋医学の治療の適応としては、脳や中枢神経が原因の難聴ではないと判断してもらった上で、急に耳が聞こえにくくなったなどの突発性難聴の症状がある場合です。聴力検査などの結果に異常がでない時でも、鍼灸治療の適応になります。
鍼灸治療は、薬の治療と同時に行なっても薬の作用を阻害したり、体に副作用を及ぼしたりはしません。
ステロイド等の薬の治療と並行して、鍼灸治療を受けるとより効果があがります。
専門医の診断治療を受け、他にもいろいろな治療を受けても、なかなか改善がみられない人等、状態や経過、体質にもよりますが、発症して2~3か月までなら鍼灸治療で改善する可能性は十分にあります。
通院のペースとしては、その時の体の状態や発症の経過、聞こえ方にもよりますが、発症して2~3週間以内ですと大体週に1~2回のペースで治療し、その後症状の改善や経過に伴い、1週間に1回から2週間に1回のペースで治療していきます。大体1~3ヶ月以内で治療が終了することが多いです。