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足底筋膜炎

症状と傾向

「足底筋膜炎」とは、足の裏にある筋肉の膜が固くなってしまい、痛みを出す状態のことをいいます。
ある日突然痛むことが多く、痛みが出る場所としては足の裏側が中心で、土踏まずからカカトの奥に痛みを感じることが多いです。

いろいろな痛みの出方がありますが、多くは朝起きての動き始めや、足が地面に着いた瞬間、または地面から離れた瞬間などに痛みが強くなります。階段の上り下りや足を伸ばしたときなど、特定の動きをすると痛むという人もいます。
痛みを強く感じるので、走ったり長時間立っていたりするのが難しく、歩くときも足裏に体重がかからないように、ゆっくりとしか歩けなくなる人もいます。

病院で診察を受け、レントゲン等の検査をしても、骨などには異常がみられず、この病気と診断されることが多いです。まれにカカトの骨にトゲができており、それが原因で痛みを引き起こしていると言われることもありますが、トゲがあっても痛みがでていない人も多く見られますので、本当の痛みの原因になっているかは判断できないところです。

足底筋膜炎イメージ

原因と分析

「足底筋膜炎」は、スポーツや仕事などで、足裏に繰り返し衝撃や負荷がかかり発症する人と、足の筋力不足があり、その上に疲労が溜まって発症する人、との2つのタイプがあります。前者のタイプは簡単にいうと使いすぎ、後者のタイプは使わなさすぎが原因です。

使いすぎでの足底筋膜炎では、同じところに繰り返しの負担がかかりすぎているので、その負担を軽減するようにトレーニング量を減らしたり、仕事方法を変えたりして、まずは負担がかからないようにしなければなりません。それから局部の炎症がおきているところを治療して、回復力を高めていきます。

使わなすぎるタイプでは、まず局部の疲労を取り除くことを最優先に考え、治療していきます。
現代人は運動不足がある上に、クッション性の高い疲れない靴を履いていますので、【運動不足でクッション性が高い靴をはく⇒足の筋肉が使われない⇒足の筋肉が弱る⇒足の筋肉に疲労がたまり痛めやすい】という流れにおちいってしまっています。
つまりこのタイプの痛みの原因は、足底の踏ん張る力や、地面を蹴る力の筋肉が部分的に極端に弱ってしまい、そこに過剰な疲労がたまり引き起こされます。

筋肉は構造上、輪ゴムのように伸びたり縮んだりして動き、その結果として関節を動かしたりしているのですが、足の裏の筋肉がスポーツなどの反復動作で過剰に使い過ぎたりすると痛めてしまいますし、普段の運動不足などで足の筋肉が貧弱になってしまっていると疲労がたまりやすくなります。
どちらが原因でも、結果的には足の裏の筋肉は固くなり、伸び縮みしなくなります。伸び縮みせず固くなっているので、動き始めや階段などの特定の動作をしたとき、すなわち筋肉が伸び縮みし始めるときにだけ痛みが出るのです。

東洋医学的な体質として、色白で呼吸が浅い、足が細いあるいはむくみっぽい、全体的に筋肉量が少ないなどありますが、体質に限らずどのような人でも発症することがあります。

鍼灸適応の目安と治療間隔

鍼灸治療の適応としては、骨折などの明らかな外傷がない場合です。
この症状は自然に緩解していく場合もありますが、数ヶ月から2~3年もの間痛みが続く人もいます。
足の状態はもちろんですが、体全体の状態や普段の日常生活も含めて、生活指導や治療をしていきます。

足の裏が痛いので、足の裏に鍼治療をして痛そうと思われる人が多いですが、当院では足の裏に鍼治療をすることはありません。
まず足の裏に血流が行きやすく、また疲労物質が流れていきやすいように、全身のツボを使って治療をします。
それからお灸で、痛みが出ている原因になっている筋肉の固くなっているところを温めていきます。固くなっているところはお灸の熱さを感じません。

治療の間隔としては、痛みの程度にもよりますが週1回で定期的に続けるのが大事です。
痛みの原因となっている大元が、スポーツや仕事などの反復動作であったり、運動不足での疲労であるわけですから、また負担をかけると元に戻っていきやすいです。

使いすぎによる過剰な炎症や、筋力不足からくる過剰な疲労よりも、治療による回復力が上回った時点から右肩上りに回復していきます。個人差もありますが、2ヶ月以内ぐらいには、治療による回復力が原因を上回ることが多く、一つの目安となっています。