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自律神経失調症・不眠

症状と傾向

「自律神経失調症」と「不眠症」は、お互いにとても関連深い症状です。
「自律神経失調症」になると「不眠症」を引き起こしますし、「不眠症」になると「自律神経失調症」を伴います。

人間の体には、血圧・体温・呼吸などを安定させる2つの神経が備わっています。一つは、体を活動的にする交感神経、もう一つは、ゆったりとリラックスするように働く副交感神経です。
これらの神経は、お互いにバランスよく作用し、どのような時でも興奮しすぎないように、またある時は体の緊張が緩み過ぎないように、自動的に調節しています。体を動かしても血圧や血流・体温・呼吸などが一定以上に変化しないようにしたり、夜になると体を休めるために眠気がしたり、またある時は気温が急に変わったりしても体温が変化しないようにと、どのような時でも心と体が安定するように働きます。

「自律神経失調症」を一言でいうと、そのような心と体の安定が保てない状態のことをいいます。
症状としては実に多彩で、なんとなく体がしんどいと感じる程度から、立って起きていられない程度までさまざまです。他にも、気持ちが不安になったり、イライラしたり、食欲が上がったり下がったり、冷や汗や動悸、めまい・耳鳴り、ご飯の味がしない、発熱や頭痛など、数限りない症状が出現します。

そして、その自律神経を調整しているところと、睡眠によって体のリズムを調節しているところ(体内時計)が、脳内の同じ視床下部というところです。同じところで調節されているので、自律神経失調症と不眠症は同時に出現することがほとんどなのです。

自律神経失調症・不眠イメージ

原因と分析

「自律神経失調症・不眠症」になる原因は、自律神経に影響を与えている要因によって3タイプに分けられます。
1つ目は、過度のストレスが原因のタイプで、過労や生活環境の変化、強い精神的ストレスがきっかけとなります。
2つ目は、肉体的な変化が原因のタイプで、閉経前後や出産前後のホルモンバランスの乱れや、大きな手術での体質変化がきっかけとなります。
3つ目は、不規則な生活や夜型勤務などで睡眠の質が悪く、不眠症がきっかけとなって発症するタイプです。

どちらかというと神経質な方や、疲れやすい方、さまざまな刺激に弱い方、アレルギー体質の方がなりやすい傾向にありますが、現代社会はストレスがたまりやすく、生活スタイルも多様になっており、どんな人でも自律神経は常に緊張状態にあります。
自律神経の緊張状態が続き、疲労困憊のときに、大きなストレスを心や体に受けると発症するので、ふだんから自律神経の緊張を解きほぐしておかないといけません。東洋医学の優れた特徴のひとつとして、「病気になる前の状態(未病といいます)」でも治療をすることができます。

東洋医学の治療は、心と体がアンバランスな状態のときに非常に効果があります。
西洋医学の治療では、薬が増えていったり、薬に依存する、副作用を伴うなどのデメリットを伴うことが多くなります。東洋医学の治療では、それらのデメリットを伴わず治療効果だけが期待できます。
とくに鍼灸治療は、自律神経を整える効果が高く、興奮を抑え、体をリラックスさせる方向に働きかけます。自律神経が整い、心と体のバランスが安定することによって、入眠しやすく熟睡できるので、睡眠の質が上がり、目覚めの良い朝を迎えることができます。
鍼治療を初めて受けた当院の患者さんから、一番よく耳にする体の変化は、「よく眠れた!」です。

鍼灸適応の目安と治療間隔

病院で、自律神経失調症や不眠症と診断された方はもちろん、なんとなく調子が悪い、病院に行ってもストレスや更年期で片づけられてしまうといった方まで、幅広く適応し、自律神経と睡眠を整える上で、鍼灸治療が大変効果を発揮します。

通院ペースには個人差があり、1週間に1回の通院が望ましい方もいれば、1ヶ月に1回程度で大丈夫な方もいます。
この症状は、短期間に集中的に治療するよりも、患者さんの生活スタイルに合わせて長期的に治療を行なっていく方がより効果があがります。
生活環境や生活背景、仕事のストレスや、更年期・産後など自律神経を乱している大元の原因が他にあることも多く、それらをカウンセリングして鍼灸治療を行なっていきます。
身体に優しく自然な治療効果を求める方、心と身体が一致せず不安定に感じる方に、鍼灸治療はよく適応します。